「キャリアを考えましょう」と言われたとき、
どんなイメージが浮かぶでしょうか?
- 出世すること?
- 職歴を積むこと?
- 転職して条件の良い仕事に就くこと?
そんなイメージを持つ方、とても多いと思います。
特に、就職活動や転職を考えているときは、
「どんな仕事が良いのか?」と悩むことがあると思います。
しかしキャリアとは、それだけの話ではありません。
この記事では、
- キャリアの本来の意味
- 人生全体でキャリアを考えるという視点
- 仕事だけで考えると起きやすい問題
を、やさしく解説していきます。
「キャリアって難しそう」と感じている方こそ、ぜひ読んでみてください。
キャリアという言葉は少し難しく感じます
「キャリアを考えてください」と言われると、
なんだか少し身構えてしまう方もいるのではないでしょうか。
「自分にはキャリアなんてない…」
「仕事を転々としてきたから…」
「もう年齢的に遅いのかな…」
そんな気持ちになりませんか?
キャリアというと、どうしても
- 出世や昇進
- 職歴・スキルの蓄積
- 一流企業での経験
といった「仕事」中心のイメージになりやすいです。
でも、それはキャリアの一面にすぎません。
本来の意味は、もっと広くて、もっと自分に身近なものです。
キャリアは「仕事の経歴」だけではありません
「キャリア(career)」という言葉の語源は、
ラテン語の「carrus(荷馬車の通り道・わだち)」にあります。
つまり、キャリアとは
自分が歩んできた道そのもの
です。
もう少しかみ砕いていうと
キャリアとは
- 人生の歩み(これまで経験してきたこと全体)
- 役割の積み重ね(仕事・家庭・地域・学びなど)
のことです。
これは仕事の経歴だけではなく、
あなたが生きてきた中で積み上げてきたものすべてが、キャリアです。
なので、「キャリアがない」なんてことは、誰にも無いんですね。
キャリアを人生全体で考えるという視点
ここで、2つの考え方をご紹介します。
どちらも「キャリアとは人生全体で考えるもの」という視点を持っています。
スーパーのキャリアレインボー
アメリカの心理学者ドナルド・スーパーは、
人生とキャリアの関係を「レインボー(虹)」にたとえました。
スーパーの考えは、こうです。
人は一生の間に、さまざまな「役割」を持つ。
その役割が重なり合いながら、人生をつくっていく。
あなたには今、こんな役割がありませんか?
- 子ども・家族の一員(親や家族と関わる役割)
- 学習者(何かを学んでいる)
- 働く人(仕事をしている・仕事を探している)
- 市民(地域社会の一員として)
- 余暇を楽しむ人(趣味・休息)
これらがちょうど虹のように、
人生のさまざまな時期に重なったり、薄くなったりしながら続いていきます。
【キャリアレインボーのイメージ】
子ども 学習者 働く人 家庭人 市民 余暇
10代 ████ ████
20代 ████ ████
30代 ████ ████
40代 ████ ████ ████
50代以降 ████ ████ ████
人生のステージとともに、役割は変化していく
このモデルが教えてくれることは、
仕事の役割だけがキャリアではない
ということです。
「今は仕事が少ない時期」でも、
「子育てに全力を注いでいる時期」でも、
それもあなたのキャリアです。
仕事だけに目を向けるのではなく、
人生全体を見ることが大切だと教えてくれます。
ハンセンの統合的キャリア設計
もう一人、ご紹介したいのが
L・サニー・ハンセンです。
ハンセンは、キャリアを4つのつながりで考えました。
| つながり | 内容 |
|---|---|
| 労働 | どんな仕事をするか |
| 学習 | 教育、学び |
| 余暇 | 仕事以外に従事する活動 |
| 愛 | 家庭と子育て |
この4つはバラバラではなく、
つながっているというのがハンセンの考え方です。
「稼げれば何でもいい」
「仕事さえうまくいけばいい」
そう考えていると、どこかにひずみが出てしまいます。
仕事・人間関係・社会・人生の4つを、
バランスよく考えることがキャリア設計の本質だというわけです。
仕事だけでキャリアを考えると起きやすい問題
キャリアを「仕事の経歴や給料」だけで考えていると、
こんなことが起きやすくなります。
給料だけで仕事を選んでしまう
給料が高いからという理由だけで仕事を選ぶと、どうなるでしょう?
- 「実はやりたくない仕事だけど給料が良いから辞められない」
- 「毎日がつらいけど、給料が良いから我慢する」
- 「休みが少ないけど給料が良いから仕方ない」
- 「家族との時間は取れないけど仕方ない」
本当にこれでいいのでしょうか?
その答えは、きっと自分が一番近くで聞いているはず。
その声に気づいてあげられていますか?
無理を続けてしまう
「仕事を頑張ることがキャリアを積むこと」と思っていると、
体や心が限界を超えても頑張り続けてしまいます。
- 「辞めたら負けな気がして」
- 「辞めたらキャリアが途切れる気がして」
わかります。
そこまで頑張れる人、自分に厳しくできる人なら
「無理して体を壊してしまったら、
その後の人生すべてに影響する。」
ということもわかってもらえるのではないでしょうか?
人生全体とのバランスが崩れる
仕事だけに集中していると、
- 家族との時間が取れない
- 趣味や休息がなくなる
- 「自分が何のために働いているのか」が分からなくなる
こんな状態に陥ることがあります。
私も過去の経験で、
「がむしゃらに働いてきたけど、ふと気づいたら何も残っていなかった」
と感じる時がありました。
仕事は大切です。
でも、仕事はキャリアの一部であって、すべてではないのです。
そして、あなたという存在は世界に一人しかいないのです。
キャリアを考えるときに大切な3つの視点
ここまで読んでいただいて、
「では、キャリアって何から考えればいいの?」と思った方もいるかもしれません。
これから先の記事では、
3つの視点でキャリアを考えていきます。
① 人生の視点
どんな生き方をしたいか。
何を大切にしたいか。
人生の優先順位を知ること。
② 仕事の視点
どんな仕事が自分に合っているか。
どんな環境で働きたいか。
自分の強みは何か。
③ お金の視点
生活に必要なお金はどのくらいか。
無理なく続けられる収入とは?
将来の備えも含めて考える。
この3つは、どれか一つだけ考えるのではなく、
3つをセットで考えることが大切です。
他の記事では、それぞれについてもう少し深く見ていきます。
まとめ:キャリアは「人生の積み重ね」
キャリアという言葉は、
仕事の経歴のように感じるかもしれません。
しかし、本来のキャリアは
人生の歩みであり、役割の積み重ねです。
✓ キャリアとは、仕事だけのことではない
労働・学習・余暇・愛
すべての役割が積み重なったものがキャリアです。
✓ 人生全体でキャリアを考える
スーパーのキャリアレインボーが示すように、
人生のさまざまな役割がキャリアをつくります。
✓ 「仕事を頑張ること=キャリアを積むこと」ではない
仕事だけを追いかけると、
人生全体のバランスが崩れてしまうことがあります。
「キャリアなんて自分には関係ない」
「今さら遅い」
そんなことありません。まさに今この瞬間もキャリアを積み重ねています。
そしてキャリアは、この瞬間から考え始めても遅くはありません。
人生の積み重ね。つまり今のあなたの中にキャリアはあります。
これからの記事では、
人生・仕事・お金の3つの視点で、
あなたのキャリアをいっしょに考えていきましょう。


コメント